ドーナツとケーキの大きなちがい

ドーナツ

The Most Delicious Foods In The World

ドーナツとケーキが違うのは当たり前だろうと思うでしょうが、数学的にも大きなちがいがあります。ドーナツは穴が1つ空いている構造、ケーキは穴のない構造。2つは違う位相と言えます。

位相幾何学ではドーナツはトーラス、

ケーキはスフィアとなります。

この位相幾何学で有名な予想にポアンカレ予想があります。

実際は微分幾何学で証明されましたが、この予想自体

狐につままれたような話です。

 

ざっくり言うと、「宇宙に自由に張り巡らせた紐が

引っかからずに回収できたら宇宙は丸い形のはずだ」

というものです。ドーナツのような形でも回収できるじゃないかと

思われるでしょうが、穴の部分で紐が引っかかるので回収はできないのです。

 

なぜ、急に位相幾何学の話をしたかというと

高校1年生が三角関数を勉強する前に、なぜ、弧度法を

学ぶかという疑問を持ったからです。

どうせ、代表的な角度を用いる三角関数でもあまり

有用性を感じない弧度法です。

勉強し始めたときは、なんで、半回転がπなのか

狐につままれた気持ちになったものでした。

 

しかし、物理の円運動で角速度を求めるときは

圧倒的に弧度法が便利ですし、数学IIIの正弦の極限公式

が=1ときれいに書けるのです。

 

つまり、理系の学生以外にはあまり意味のない

ものなのです。ポアンカレ予想も数学の世界以外では

役に立たないように見えるものです。

 

何の役にも立たない、でも真理を求める人々には

人生を捧げる意味があるものがこの世界にはたくさんあります。

 

わたしも高校の数学なんて

「人生に取って何の役にも立たない無駄な物じゃないか」という

ことを学生の頃思ったときもありましたが、

今は「人生に無駄じゃない物なんてない」と思っています。

 

by edison